❆LastChristmas❆
佐藤があたしの名前を呼んだ。

「さっき、空気壊して悪かった。
でも俺はずっと前から細田が好きだった。」

…え?

「さっきのも冗談じゃない。
俺は細田とクリスマス過ごせるなら過ごしたい。俺と付き合って欲しい。」

突然の告白にびっくりし、あたしは戸惑ってしまった。


「…けど…。」


「返事は今すぐじゃなくて良い。…俺の事一旦考えてみて欲しい…。
24日、もし良いなら噴水公園のツリーの前で待ってるから。」


そう言って、佐藤は帰って行った。


「ちょっ!佐藤!」


佐藤は、もう姿が見えないくらい遠くにいた。


「…行っちゃった。」


佐藤があたしを好きだったなんて…。



でもあたしは正直、佐藤の事そんなふうに見れない。


あたしにとって佐藤はもう友達で、


1番居心地の良い、1番心を許せる相手だ。


…それ以上の気持ちなんてない。




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