❆LastChristmas❆
そしてあたしは自宅に帰った。


帰ってもまだ、佐藤の言葉が頭から離れなかった。


真っ直ぐあたしを見つめる佐藤の目…。


その目が忘れられなかった。



その時スマホが鳴った。


画面を見ると、


「…何で!」


兼君からの着信だった。


津田兼

あたしの元カレ。

去年のクリスマス、あたしは彼に振られた。


…あの頃は突然の事で頭が真っ白になった。


…ただ、



『別れて欲しい』


そう言われた言葉と、去っていく兼君の足音だけが聞こえた。

…ずっと頭の中で残っていたままだった。


…そしてあたし達は終わった。



…なのに何で今更?


あたしは出ようか迷っていた。


だけど、スマホはずっと鳴りっぱで止まらなかった。


…あたしは仕方なく恐る恐る電話に出た。

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