嫌い。だけど好き。
第1章
「お嬢様・・・7時です」
メイドの声で目が覚める。
もぞもぞしないで すっと 起き上がり、
「分かりました」
と言う 綺麗な 女性。

一条 結愛(イチジョウ ユアカ)。17歳。
高校2年生。

8月の中旬。明るい日差しがカーテンの隙間から差し込む。

ベットのシワを直し、自室のシャワー室へ向かう。
体にシャワーを 一通り浴びせ、ドアを開けると バスケットの中にはタオルや下着、バスローブが置いてある。
体を拭き、下着とバスローブを着てシャワー室を出ると、独特な制服を着た 50代の女メイドが学校の制服を手にしている。

「ありがとうございます」
結愛は それをとり、ささっと制服に着替えた。

ダイニングルームへ移動し、7m程の長い机に1人、腰掛け 温かい朝食を口にする。
15年間、この味をとってきたが体を気にして薄い味の料理には あきあきする結愛。
だが、メイドやコックには言えない。
< 1 / 77 >

この作品をシェア

pagetop