嫌い。だけど好き。
気がつくと、物置のような部屋にいた。
冷房が通っているのか とても寒く、
冷たいアスファルトの床だった。
そこには 俗に言う、ヤンキーと いう人達が10数人いた。

私は・・・イスに座らされ、後ろで手を縛られていた。

「一条 結愛サンですね?」
他の人達とは違う、スーツを着た40代くらいの男性。この男性は、 気味悪い笑顔をしていた。

「・・・なんでしょうか・・・?」
警戒しながら 相手の顔を見る。

「君のパパが僕をリストラするもんでね。
君を餌にしてパパを倒そう!という作戦ですよ」
ニヤリと笑みを見せる男性。気味悪かった。パパに勝てるわけないのに。

「・・・このような事を1度すると、刑務所を出ても 嫌な目で世間から睨まれます。
まだ 戻れる時に やめませんか?」
冷静に、相手をなだめる。
自分の命が終わったら・・・と思うと足が震えた。

「ッ!親と同じ顔をして偉そうに言うんじゃねーよ!」
バシッと私の頬を叩いた。
ジンジンと頬が痛む。

「へっ!お前の父親は迎えに来るの遅いな!愛されてないんじゃないか」

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