嫌い。だけど好き。
第14章
「結愛!送ってくよ!」
ホームルームも終わり、晃哉君が声を掛けてくれる。今日は私の誕生日。
晃哉君・・・いつもと変わらない接し方で寂しいよ・・・。
「はい、ありがとうございます」
なんべく笑顔で、最後まで笑顔で。
「晃哉君、ありがとうございました」
玄関に着き、晃哉君と繋いでた手を離した。
「はーい。結愛、ご入場~」
私の背中を押して、ダイニング室まで案内する晃哉君。
「こ、晃哉君・・・?どうされました?」
いつもは玄関で お別れなのに・・・。
「ドア、開けてみ!」
言われた通り、ガチャっとダイニング室へのドアを開ける。
その時、パンパンっと大きな音がした。
「結愛、Happy Birthday~!」
全員の揃った明るい声が耳に入った。