嫌い。だけど好き。
え・・・キス・・・?
キスってあの、ドラマの?
「あ、嫌だったらいいんだ」
私と視線をはずして言う晃哉君。
「いや・・・じゃ、ない・・・です」
恥ずかしくて下を向いてしまう。
私の顔を両手で くいっとあげる晃哉君。
緊張と恥ずかしいのが重なって、心臓がバクバクいってる。晃哉君に・・・聞こえてないよね?
「ほんと?」
晃哉君の真剣な顔に、コクっと頭を縦に振る。
「あ~ガマンできない・・・」
最後に晃哉君が そう言って、唇を押し付けてきた。触れる程度の唇。
あ・・・嬉しくて、涙が出てきた。
ツーっと私の頬をすべる涙。
「え?なんで泣いてんの!?」
驚いたように私の涙を拭う晃哉君。
「へへ・・・嬉しくて・・・!」
涙でぐちゃぐちゃかも・・・。
こんな顔と顔が近いのに・・・。
「あ~もう!自分を恨めよな!?」
そう言って、また、キスをする晃哉君。
チュッとすると、顔を離し、見つめ合い、照れて視線を外す。
「結愛、誕生日おめでとう」
「ふふっ。ありがとうございます」