嫌い。だけど好き。
「結愛、今日も昼、一緒に食べれない!ごめん!」
「そうですか・・・分かりました」
精一杯の笑顔で伝える。
晃哉君は教室を足軽に出ていった。
・・・花園さんの所へ行くのでしょうか?
「・・・失礼します。花園さん いらっしゃいますか?」
隣のクラスに来て、晃哉君との関係を聞き出そうという作戦です。
「はい・・・。私ですが」
栗色の ふわふわしたボブの髪。
フランス人形のように 長いまつ毛。
そして真っ白い肌・・・。
晃哉君が惹かれてしまうのも
当然ですね・・・。
肩を落としていると、花園さんが口を開いた。
「あの・・・私に なにか?」
「えと・・・ここでもなんですから、中庭へ・・・」
歩く姿もモデルさんのように静か。
本物の お嬢様とは こんな人ですね。
「で、私に なにか・・・?」
「あ、あの、とても言いづらいのですが、七星 晃哉君とは どのような関係ですか?」
一瞬、彼女の顔が曇った。
でも、すぐに笑顔に戻り、
「なんにもありませんよ?」
と言った。
なにかある・・・。私は勘づいた。
「そ、そうですか。
すみませんでした」
「いえ!失礼しますね」
スっと校舎へ戻っていく花園さん。
晃哉君・・・私、不安で押しつぶされそうです。