嫌い。だけど好き。

「あの・・・なんですか?これ・・・」

「まぁまぁ!とても お似合いですよ、お嬢様!」
私専用メイド、50代の前田が言った。
そして家の(高性能)カメラで私の姿を撮る。

「お化粧に手こずりましたわ。1日寝ていないので肌はボロボロ、クマはできて・・・」

「まぁ・・・そうでしたか」
前田と さっきスーツ姿の複数の女性の中にいた これまた50代くらいの女性が会話している。

それにしても・・・この姿。
・・・ウエディングドレス?
純白にブーケ、ベールときたらそうだよね?

「私、なんで こんな姿を?」
お化粧までしてもらって・・・。

「あら!ご自分の結婚式じゃないですか!」
スーツ姿の50代の女性が当然です と言うように言った。

「え!?私が!?」

「はいはい!そろそろ移動しましょうね」

私のドレスの裾を持って移動させる女性。

移動した先には・・・お父様が 娘の結婚式のお父さんのようなスーツを着て立っていた。
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