この恋が実るなら
後押し、そして後悔 実花side
おかしい…。
吉川さんと付き合い出してからずっと、目に余るほどの幸せオーラを放っていた先輩の様子が、いつもと違う。
横目に先輩の様子を確認しながら、チューっとパックの野菜ジュースを飲み干す。
あの残業の日も、そのまま吉川さんのマンションへ向かったはずだけど。
そこで何かあったのだろうか。
「寧々さん、このサイトのデータのことでちょっと聞きいんですけど…」
山口さんが向かいのデスクから声をかけるけど…
無反応。
「寧々さん?」
「おーい、寧々さんー。」
「は…!え、あ、ごめん!何だった?」
やっぱり。
いつものデキル女モードのスイッチが入ってない。
これは、真相を確認しなきゃ。
場合によっては、山口さんにチャンス到来かもしれない。