この恋が実るなら


「だから、明日お昼誘ったらどうですか?私は遠慮しますから、2人で行ってきてくださいよ。


何があったのか、ちゃんと聞き出してくださいね!」


だって、私だって気になる。
あんなに毎日鬱陶しいほどのラブラブだった2人に、何があったんだろう。


「藤谷、おまえって本当いいやつだよな。」


最近の山口さんの口癖だ。
えぇ、えぇ、私はいいやつですよ。
それ以上でも、それ以下でもない。
悲しいほどに。


それでも、こうして山口さんに信頼されて、別の意味で近い存在でいられる。
今はそれでいいんだ。


時々切なくなる事もあるけど、これは自分で決めた事だから。
周りから見ると、私はフワフワとした女子力高めの、可愛らしい甘えん坊キャラだと思われてるらしいけど、実際の私の中身は案外オトコマエだと自負している。


自分で決めた、自分の覚悟には、ストイックに従うのだ。


私の気持ちを知っている山口さんも、山口さんの恋路を応援し始めた私を、最初は不思議そうに見てたけど、今では頼ってくれてる。


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