この恋が実るなら
もうお昼休憩の時間が終わってしまう。帰らないと。結局お昼を食べ損ねてしまったけど、胸がいっぱいだ。
「陽子、ありがとう。私、もう仕事に戻らなきゃ。
蒼一郎さん、話せてよかった。今夜、仕事終わったら蒼一郎のとこに行っていい?」
「うん、もちろんだよ。会社まで、送ってく。陽子さん、ちょっと出てくるね。」
「はいはい、名残惜しいわよねぇ。ごゆっくり〜?」
と言って、陽子はヒラヒラと手を振って見送ってくれた。
オフィスまで歩く道のりはとっても軽やかで、蒼一郎さんと繋いだ手から温かい熱が伝わってきた。