この恋が実るなら
自分の事より周りのヤツを気遣える優しさ、弱気になってたら叱りつけてでも元気付けてくれる強さを持った、すごく奥深い子だったんだ。
彼女といるうちに、だんだん寧々さんに対して長年抱いてた想いは、憧れだったんだな、って冷静に思えるようになっていった。
それよりも、彼女と話してる時に感じる嬉しさ、楽しさ、それにドキドキする心は、寧々さんに対してのそれとはまた違うものだって気づいた。
俺がそんな自分の気持ちに気付いても、相変わらず彼女は一生懸命俺の恋路を応援しようとしてくれていた。
だから、俺は決心した。
彼女を、俺の手で幸せにしたい。
俺を救ってくれたあの子に、恩返ししたい。
それからも、俺は「恋の相談をしてる先輩と相談に乗ってくれてる後輩」というポジションはそのままに、計画を進めることにした。