この恋が実るなら
そう言うと、山口はポケットから何かを取り出すと実花に近づいた。
「これ、もらってくれる?」
そう言って、実花の首に繊細な細いチェーンを回して着ける。
実花が自分につけられたチェーンを手に取ると、透き通ったブルーの石が、キラキラと輝いていた。
実花の目には涙が溢れる。
そんな実花を優しく抱き寄せると、山口は耳元でそっと囁いた。
「俺と、一緒にいてくれる?」
実花は山口の胸に顔を押し付けて、何度も頷きながら、今度は声をあげて大きな声で泣いた。
「山口さん、ずっと、ずっと、大好きでした…。苦しくて、辛くて、もうこの気持ち諦めなきゃって、何度も思って、でも諦められなくて、、
こんな事になるなんて、想像してなかった、、」
泣き声をしゃくりあげながら、実花も想いを吐き出した。
「これからも、ずっと好きでいて、いいの?山口さんも、私を好きで、いてくれるの?」
「もちろん。お前がそれを望んでくれるなら。」
「実花。」
はじめて名前で呼ばれた事に驚いて顔を上げると、山口の唇がそっと実花の唇に重なった。
「大好きだよ…。」
抱きしめ合った2人を、月明かりが照らしてくっきりと影を映していた。