この恋が実るなら





「あ、そろそろ時間。」


出国検査場の列が長くなってきたので、慌てて別れを切り出す。


「それじゃ、いってきます。」


最後は笑顔だ。
さっきまで泣いていた寧々と実花も、柔らかい笑顔を浮かべている。


僕は寧々の手を取って、出発した。
この手を、この先もずっと繋いで一緒に生きていくんだ。


寧々が繋いだ手にぎゅっと力を込めて、握り返す。


願わくば、年をとっても、この先もずっとお互い恋をしていよう。










fin
< 146 / 147 >

この作品をシェア

pagetop