この恋が実るなら


オフィスに戻ってから、会議室にいろいろ運ぼうと思ってたら、もうすっかり山口くんが準備してくれていた。


「あれ、ありがとう!ちゃんとお昼休憩取れた?こんなに準備してくれて、助かるよ。」


笑顔でお礼を言うと、また一言だけ


「いえ。」


と返ってきた。
まだ機嫌悪いのか…。
こんなんで、クライアントとちゃんと打ち合わせできるんだろうか。


13時、予定通りクライアントの担当者二人が来社して、打ち合わせが始まった。


さっきまでの心配はどこへやら。
山口くんはちゃんと笑顔で滞りなく打ち合わせを勧めてくれた。


説明の仕方もわかりやすいし、事前に準備した資料も申し分ない。


よかった。
かなり任せられるように、なってきたかな。
もう少ししたら彼がチームリーダーの役割も担っていくわけだし、ちゃんと育ってくれてることにホッとする。



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