この恋が実るなら


「どんな人か、藤谷知ってるの?」


おそるおそる聞いてみる。


「私は直接知らないですけど、陽子さんと寧々さんの話では、インテリア関係のバイヤーをされてて、イケメンで優しい感じの人らしいですよ。

ほら、ちょうどお昼に山口さんが電話で外に出た時、そんな話になったんです。」



「そっ・・か。ふーん。」



藤谷には悟られないように、そっけなく返したけど、心の中は不安でぐちゃぐちゃだ。





その後、歓迎会も盛り上がって、他のチームのやつらがうちのテーブルに来て藤谷と盛り上がったりしてたけど、俺は寧々さんとその男のことが気になって、飲み会どころではない。



何杯目かわからないビールを飲み干すと、いつの間にか歓迎会はお開きの時間になった。


2次会に行くやつらは固まってどこへ行こうか相談中。




俺は・・当然2次会なんて行く気分じゃない。それに、もう遅いから藤谷を送っていかないと。


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