この恋が実るなら
負け犬
土日は、寧々さんのことが気になってぐだぐだの週末を過ごしてしまった。
でも、月曜日、寧々さんに会うのが怖い気もする。
それでも月曜日の朝は明けてしまう。
はぁ。
憂鬱な気持ちを、一杯のコーヒーで奮い立たせ、なんとか会社に向かう。
オフィスに入ると、藤谷と寧々さんが何やらこそこそ話していた。
聞こえてくるのは、金曜の夜のこと。
寧々さんの表情は、少し恥ずかしがるように紅潮している。
はぁ。。
またため息がもれる。
「おはよう、ございます。」
なんとか挨拶したけど、明らかに態度おかしかっただろうな。
変に思われたかな。
金曜日のことが気になるけど、聞きたくない。
寧々さんがすぐに書類を持ってやってきた。
「ねぇ、今日はこのクライアント、サイトのリニューアルの件で13時から打合せあるから、それまでに資料そろえといてくれる?」
俺が不機嫌な事には触れず、仕事の要件のみ伝えてくる。
はい、と答えてぶっきらぼうに書類を受け取った。