この恋が実るなら
あー、寧々さんにこんな態度取ったってしょうがないのに。
嫉妬うずまく黒い感情のせいで、普通に対応できない。俺はなんて小さい男なんだ。
とりあえず寧々さんに気持ちを伝えるにしても、仕事を一人前と認めてもらわない事には前に進めない。
頑張ってやるしかないんだ。
余計な事は考えず、仕事だ。仕事。
・・と集中して打合せの資料をまとめていると、また聞きたくない話し声が。
マレーシア・・お土産・・・もう付き合ってるんですか?・・
とぎれとぎれに聞こえてくる会話に、耳をふさぎたくなる。
藤谷にも悪気はないだろう。
俺の気持ちなんて知らないんだから。
しかし、きつい。
あぁ、もうイライラが限界だ。
気合で仕事をきりのいいところまで終わらせて、どさっと書類を寧々さんのデスクに置いた。