この恋が実るなら
でも。
ライバルが現れてしまった。
これは、前に進めという合図だ。
何かアクションを起こさないと、絶対後悔することになるぞ。
残りのおにぎりとフライドチキンを口に詰め込み、お昼休憩は早めに切り上げてオフィスに戻った。
寧々さん達はいない。
ちょうどお昼に出ている頃だろう。
今頃、金曜の出来事を話しているのかもしれない。
いや、もうそんなことは考えるのはよそう。
とりあえず打合せの準備をさっさと終わらせよう。
いつもはチームで手分けしてやる作業を、今日はひとりで黙々とこなした。
打合せ内容もしっかりと確認して、クライアントの要求も全部把握して、満足してもらえる打合せにするんだ。
しばらくすると、寧々さん達が帰ってきた。
「あれ、ありがとうね!ちゃんとお昼休憩取れた?こんなに準備してくれて、助かるよ。」
寧々さんの笑顔。癒される・・。
この笑顔を独り占めしたい。