この恋が実るなら


時間通りにやってきたクライアントの担当者二人と、早速サイトリニューアルについての打合せが始まった。


こちらのメンバーは、寧々さんと俺と、原田さんだ。


俺は準備してきたサイトのデザインやページ構成についてわかりやすく説明。相手からの質問にもすべて滞りなく答えることができた。あちらも満足そうだ。


寧々さんも、そんな俺を「うんうん」と頷きながら見てくれている。
よかった。


その後原田さんがシステムについての詳しい説明をして、あちらからの追加機能の要望を聞いて、このプランでリニューアルサイトを作っていくことに決定した。


3人でクライアントの担当者を見送り、原田さんはオフィスへ戻っていった。


よし、寧々さんと二人きりになれた!
チャンスだ!


と思ってたら、寧々さんが口を開いた。



「山口くん、ありがとうね。打合せもすっごくスムーズだったよ。もうチームリーダー、任せられそう。」


「ちゃんとできて、よかったです。寧々さんのおかげですよ。」


普通に答えたつもりだけど、打合せが終わってほっとしたせいか、またあのドキドキとうるさい不安と緊張が襲ってきた。


「とりあえず打合せ終わったし、あとは作業進めるだけだから、ちょっとコーヒーでも飲んでいこうか。」


そうですね、と言って寧々さんについて休憩室へ。
< 47 / 147 >

この作品をシェア

pagetop