この恋が実るなら


自販機に小銭を入れて、寧々さんがコーヒーのボタンを2回押す。
ガチャン。ガチャン。
という音とともに缶コーヒーが落ちてきた。



「はい。お疲れ様。」


大好きな笑顔で、コーヒーを渡してくれた寧々さんが、心配そうに俺の顔を覗き込む。


「山口くんさ、今日なんか調子悪い?何か悩み事なら、私でよければ話聞くよ。」


え・・やっぱり気にされていた。態度に出してるつもりはなかったのに、バレバレだったか・・。
俺の方に体を向けて、寧々さんが続ける。


「あ、一応チームリーダーだしさ。仕事も、仕事以外のことも頼ってくれたらうれしいな、と思って。

余計なお世話だったらごめんね。いつもは穏やかな山口くんが、今日はイライラしてるみたいだったから。」



どうしよう。
聞くなら今、だよな。。
気になってるけど、聞くのも怖い。
でも一歩前進しなきゃ。
そう決意して、コーヒーをごくりと飲んで口を開いた。



「金曜日の急用って、何だったんですか。」



なんとか目を見て聞く事ができた。
心臓がどきどきして吐きそうだ。
なんでこんなに余裕ないんだろう。情けない。




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