この恋が実るなら
ぷ。アイスが唇の淵についてる。
可愛いな。
「アイス、ついてる。」
と言いながら指で唇に触れると、顔を真っ赤にさせてのけぞった。
「ありがとうございます…。もう、私ったら恥ずかしい。」
両手で顔を覆って恥ずかしがってる彼女の髪を撫でる。
サラサラと柔らかい。
まだ赤いままの頰が髪の隙間から見えた。
「さて、続き走ろうか。」
そう言ってベンチから立ち上がる。
ほら、と言って手を差し出すと、少し躊躇した彼女の手が重なった。
彼女をベンチから引き上げ、そのまま繋ぎ直す。
よし、自然だ。
彼女も嫌がってはいないだろう。
ちょっと距離が縮まったかな。