この恋が実るなら
彼女は少し考えて、
「はい、私もそうしたいです。」
と答えた。
よかった。
ホッと力が抜ける。
あ、でも山口もこれから動き出すなら、ちょっと心配だな。
せっかく恋人になれたのに、こんな事言うのもどうだろう。
でも不安なことは取り去っておきたいし。
「そういえば、昨日うちの店に君の職場の男の子が来たよ。山口くんて子。」
「えっ!?」
あ、かなり戸惑ってる。
やっぱりもう告白されてるのか。
「山口くんが雑貨屋さんなんて、珍しい。誰かにプレゼントかな。」
あ、この反応ならまだ告白されてないな。
よかった。
先手必勝だ。
「あれ、でもどうして蒼一郎さんが山口くんのこと知ってるの?」
「陽子さんが、いつも寧々といる子だって教えてくれたから。」
「そうなんです。私のチームでWebデザイン担当してくれてる子なんですよ。」