この恋が実るなら


その日の仕事は順調に終わり、オフィス内は佐々木さんの歓迎会にみんなで移動モード。
金曜日だし、みんなが定時で片付いてよかった、とホッとする。


「寧々さん、今日は楽しんできてくださいね♡来週、ちゃんと報告してくださいよっ!」


実花ちゃんが嬉しそうにこそっと耳打ちする。
あー、なんか緊張してきたかも。


「私なんかのことよりさ、実花ちゃん、今日歓迎会の帰り、山口君に送ってもらったら。」


「ええええええー!!寧々さん、なんで・・!?」
顔を真っ赤にしてうろたえる、実花ちゃん。かわいい。


「見てたらわかる」


可愛い実花ちゃんに、私まで顔がにやけちゃうわ。
恋って、いいわね~。
キュンキュンする。


あ、私もこれから恋が始まるかもしれないんだった。。


そんな気持ち、長いこと忘れてたから、どうなんだろう。
でも、陽子のおかげでちょっと久しぶりに新しい世界の扉、開けられるのかなぁ。


私も準備しなくちゃ。
デスクの上の書類を片付けて、パソコンの電源を落とす。
バッグに荷物を詰め込んでたら、ピロリン、とメッセージ受信の音が鳴った。
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