この恋が実るなら
あんなモテそうな人が、どうして私を好きになってくれたんだろう。
確か私より2つ上って言ってたから、もう結婚しててもおかしくないのに。
…て、私もか!!
なにはともあれ、もうセール品になりつつあった私が、あんな素敵な人に拾ってもらえたんだからありがたく大切にしなくては。
必要な物を詰め込んだバッグを持って、蒼一郎さんの車に乗り込んだ。
蒼一郎さんのマンションには言われた通り車で10分ほどで到着した。
広くて明るいエントランスの奥に、エレベーターがある。
蒼一郎さんは5階のボタンを押した。
私のバッグは当たり前のように蒼一郎さんの肩にかけられていて、何だか手持ち無沙汰だ。
5階に着くと、一番奥の部屋のドアにカードキーを差し込んだ。
「散らかってるけど、あがって。」
そう言って蒼一郎さんは玄関脇の収納からスリッパを出してくれた。