この恋が実るなら
【寧々、予定通り来られる?吉川さんとお店で待ってるから、仕事終わったらこっち向かってね 陽子】
最初は直接、陽子から紹介してもらえるのかな。
陽子のお店にはセンスのいいインテリア雑貨がたくさんあるから、私の部屋にも陽子のお店で見つけた素敵なモノが日々増えていく。
気に入ってた鍋敷きが割れちゃったから、今日ついでに新しいの、買おうかな。
なんて思ってたら帰り支度をした山口君がひょこっと現れた。
「寧々さん、もう終わりましたよね。直接行きますか?」
「あ、ごめん。今日ね、ちょっと用ができちゃって。行けなくなっちゃったんだ。」
山口君の顔がちょっと曇ったような。
気のせいか。
「実花ちゃんがさ、おうち駅からちょっと遠いから、帰り送ってあげてくれる?」
ちょっと離れたところで様子を見てた実花ちゃんの頬がちょっと赤まるのを横目で確認する。
世話焼き姉さんなのは自覚してるけど、
実花ちゃんも結構奥手だから、ちょっとだけお膳立て。
うまくいくといいな。
「じゃ、また月曜日!歓迎会、楽しんでね~。お疲れ様!」
「え、ちょっと、寧々さん~!」
呼び止める山口君を無視して、二人に順番にとびっきりの笑顔を向けて、元気に手を大きく振ってオフィスを出た。