この恋が実るなら
「じゃあ、僕もお風呂行ってくるから、ゆっくりしてて。」
そう言って、バスルームに消えていった。
どんな雑誌読んでるのかな、とローテーブルの上に置いてある雑誌を手に取る。
お仕事に関係あるものなのか、それは海外のインテリア系の雑誌だった。
あ、そうか。蒼一郎さんはいろんな国で商品を買い付けてくるバイヤーなんだから、英語はペラペラなんだろうな。
雑誌を元あった場所に戻し、今度はお部屋を探検。
キッチンは、普通に使ってある様子。
きちんと片付けられているけど、必要な道具や調味料はしっかりと揃えられてるし、冷蔵庫には常備菜のタッパーもある。
お料理も得意なのかな。
あの紳士は、苦手な事とかないのか!?
隙がないなぁ。
何だか、本当に私みたいな女が相手で釣り合うのか心配になってきた。
常温のミネラルウォーターで、口を潤す。
今日は一日よく歩いたから、やっぱりちょっと疲れたな。
何となくダルさを感じて、ソファに横たわると、あっという間に意識は遠のいていった。