お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
「恋ですねぇ」
「ち、違うったら!」
縁側のおばあちゃんみたいにお茶を啜る優菜に即座に言うものの、赤い顔では説得力がないのもわかっていた。
あれから、一週間。
毎日何かしらのメッセージが来る。さっきみたいな昼ご飯の写真だったり、話題の映画やテレビの話だったり、単純に天気の話だったり。
他愛無い、途切れてしまっても何の支障もないメッセージをいつからか待っている自分もいる。
達彦と別れてから気を紛らわすように一層仕事に心血を注いできた。
だから、帰宅すると魂の抜け殻みたいになっていた。
疲れですぐ眠ればいいのに、目を閉じると達彦が出てくるからなかなか寝られなくて心はいつまでも病んでいく。
それが智哉と出会ってから、このお見合いをどうにか破断にしようと考えたり、智哉からのツッコみどころ満載のメッセージを思わず返したり、たまにかかってくる電話の声がいつもの俺様の時より優しいことにちょっと驚いたり。
最初は煩わしかったものが、時々来ないと物足りなくなって、いつしか待つようになった。