お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~


まだ返していないのに次のメッセージが入ってきて、現実に引き戻される。



「え?」



読んだ後に思わず声を上げていた。



「どうしたんですか?」




優菜が小首を傾げるのに、私はスマホ片手におろおろする。



「い、家に来るって!今日」



メッセージにはこう書かれていた。





『土産買って帰るから今日渡しに行く』





つまり智哉が私のマンションに来るということだ。




「いいじゃないですか。お土産買ってきてくれるなんて」

「違う、家に上げないといけないじゃない!」




玄関先で受け取ってはい終わりでは、お土産を持ってきた人間に対して失礼ではないだろうか。


普通なら上がってもらうけど、関係が微妙な見合い相手を、夜部屋に上げるべきなのか迷う。



そもそも、今日じゃなくても明日でも明後日でも仕事帰りに待ち合わせてもいいのに。




「すぐに会いたいんですよ。先輩に」

「そ、そんなわけないでしょ!」

「そうかなぁ。でも、お茶くらいは出しとくべきですよねー。前も泥酔して迷惑かけてるんだし」

「うっ」




痛いところを突かれて言葉が詰まる。



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