お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
「でも、勿体ない」
「そう?」
「そうですよー。私ならとりあえず婚約するかなぁ。嫌になったらドン引きするような素の部分見せたら向こうから断ると思うし」
「あんたのその顔に似合わない発言がまずドン引きだわ」
三つ下で、愛らしい天使のような顔をしているのに優菜は大体毒舌だ。
普段はもちろん猫を被っている。
ただ、後輩と先輩の関係だが、仲がいい私の前では素を見せてくるからこちらもプライベートのことも話せた。
優菜は愛想はいいが、裏で誰かを貶めようという性格ではない。
むしろ、そういうのが許せないタイプらしく、人気がある優菜を妬んで入社当時、裏でいじめがあったが、自分で主犯格を突き止めてトイレで絞めていた。
そこに私が遭遇して、優菜が一方的に悪者にされそうだったところを、事実確認をしてちゃんと優菜へのいじめを認めさせて収めたのが経緯で私には懐いている。
「あはっ、だって男の人って変に女に幻想抱いてるじゃないですかぁ。あんなもんぶっ壊すのなんて簡単ですよ」
優菜の愛らしい口からどんどん辛辣な言葉が出てくる。
昔、地元でバイクを乗り回していたと前に冗談ぽく言っていたが、トイレで絞めていた時点で本当のような気もする。
笑っていい話なのかどうかいつも困るけど。