お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
「ちょっ、何すんのよ!?」
「何って、明らかキスする流れだろ、これ」
「違うわ!」
近づいてこようとする顔を思いっきり押し返す。
勢い余ってガキッと智哉の首の骨が鳴った。
「あ……」
けっこう大きな音で我に返って手を離す。
智哉は抑えられた自分の頬を抑えると、鬼の形相でこちらに迫ってくる。
「この馬鹿力!俺の美しい顔が歪んだらどうすんだ!」
「ご、ごめん」
「ごめんで済んだら警察いらねぇんだよ!」
「いでででで!は、離して!」
キレた智哉にヘッドロックをされてもうめちゃくちゃだ。
だけど、二人でギャーギャー騒いでいるのも嫌ではない。
むしろ、気を張らずに居心地がよくて、最後のほうは二人で笑いあっていた。