お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
智哉と会うのは三日後。
仕事が立て込んでいて連絡がなかなかつかなかったけれど、その日は空けられそうだとのこと。
私はこの店に席だけ予約した。
智哉の好き嫌いを把握しているわけではないからメニューを見て決めたほうが良さそうだ。
そう、私たちは言いたいことを言い合って、ケンカして。
でも、根本的な部分を知らない。
映画では好みが合うことくらい。
休みの日は何をして、何が好きで嫌いで……。
友人というには遠い。
でも、信頼はできる……男だと最近は思う。
私が嫌な政略結婚を遂行しようとしているのに矛盾しているけど。
気に入ってくれるかな……。
不安。
だけど、どこかわくわくとした期待。
この前のバッティングセンターが思いのほか楽しかった。
その余韻がまだ身体に残っている。
スマホは未だ何も変化なく、メッセージに既読もつかない。