お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
「ごめんなさい!」
思わずそう言うと、開けた視界の先には見慣れた天井。
私の部屋だ。
さっきのは夢だったみたいだ。
「おはよう」
隣から聞こえてきた声に驚いて顔を向けると、寝転んだ状態で頬杖をした智哉がにこやかに微笑んでいた。
もちろん、布団から覗く肌には何も身に着けていない。
昨日の愛の営みは夢ではなかったようだ。
同じく裸の自分に恥ずかしさから布団の中で丸まると逞しい腕でそっと抱き寄せられた。
「結構寝たな。もう十時だよ」
「へ?あっし、仕事!」
「土曜日だけど」
そうだ、今日は土曜日でもともと寝坊しようと思っていたくらいだった。
私は起こしかけた身体をベッドにぽすんと再び沈ませた。
智哉は私の髪を撫でるように梳いたり毛先を指に巻き付けたりして遊びだす。
「いつ起きたの?」
「ちょっと前?一時間前くらいかな」
「もしかして、ず、ずっと私を見てたの?」
「うん。可愛かったよ。『いらっしゃいませ』って寝言」