恋は盲目、愛は永遠
「たぶん別荘にアルバムがあると思う。着いたら探してみよう」
「え」
「唯子は昔の私が見たいんだろう?」
「・・・はいっ!」

鈴太郎さんがそう言ってくれたことが嬉しかった。
そして私が知らない若かりし頃の鈴太郎さんが見れるかもしれないと思うと、それも嬉しかった。

「このあたりは伊集院の所有地なんだが、娯楽がない。それで退屈しのぎにと君子が思いついたのがショッピングモールだった。あれの思いつきは大抵当たる。そこがいまだに男勝りなかぐや姫なんだが」
「かぐや姫?」
「君子は竹を割ったような性格をしている。何事もスパッと決めて、スパッと断ち切る。後腐れがない。そこは私から見ても男だと思うが、あれは一応女だからな。それで竹にちなんでかぐや姫と徹が命名した」
「じゃあ、徹さんは君子さんのことをかぐや姫と呼んでるんですか?」
「時々な」
「仲がいいんですね」
「ああ。幼い頃からずっと一緒にいるのに、飽きもせず仲良くやっている」
「そうですか・・・」

それを聞いた私は、正直羨ましいと思った。
私は鈴太郎さんにいつか飽きられると思うから、この結婚は長続きはしないだろう・・・。
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