恋は盲目、愛は永遠
「そのうち君子たちにも会わせよう。あれも唯子に会いたがっているしな」
「あ・・・はぃ」

そうだよね。私はまだ、伊集院家のみなさんにお会いしていない。
急に決まった結婚だから、私が慣れるまで、伊集院家の人たちには会わせるつもりはないと坊ちゃんが言っていたと、サキさんから聞いていた。

伊集院家の人たちに会わせる頃には、鈴太郎さんが私に飽きてるかもしれない。
できない妻だと愛想を尽かしているかもしれない。
それがとてもリアルに想像できた私は、うつむいて両手をよじり合わせた。
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