恋は盲目、愛は永遠
「唯子」
「はい」
「私たちには20の年の差がある。だから君子たちのように、長く一緒にはいられないだろう。そうだな・・・恐らく結婚40周年は迎えることができるとは思うが」
「そっ!それは結構長いと思いますけど?」と私は言いながら、心臓はドキドキ高鳴っていた。

「そう思うか?とにかく、結婚にせよ人生にせよ、長さではないと私は思っている。たとえ短くても、唯子と濃密な時を過ごしたい」
「これから40年かけて・・・ですか?」
「そうだな。できればもっと長く。唯子と、それから将来生まれ来る子どもたちとともに」
「・・・はい、鈴太郎さん」と答えた私の顔は、晴れ晴れとした笑顔になっていた。
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