恋は盲目、愛は永遠
森の中にひっそりと建つ伊集院家の別荘は、ふんだんに木が使われたログハウスだった。
ここだけカナダ、みたいな。
とにかく別世界に感じる。
空気さえも違う気がする。

「数ある伊集院家の別荘の中で、私はここが一番好きなんだ」
「へぇ」
「意外だという顔をしているな、唯子は」と鈴太郎さんは言うと、私の鼻の頭をチョンと突いてドアを開けると、また私を姫抱っこして中へ入った。

「わ！りんたろうさんっ！！」
「ハネムーンのお約束だ。ようこそ、私たちの別荘へ」
「・・・ありがとうございます」

私はあたりをキョロキョロと見渡した。
お屋敷よりもかなり小さいけど、広々としている。

「ここへは子どものころよく遊びに来ていた。自然が多いし、空気もおいしい。今夜は唯子に私のお気に入りの景色を見せたい。いや、今夜と言わず、ここに滞在している間はずっと」

鈴太郎さんと何か・・・ステキなことを共有できるのなら。
私は笑顔で「ぜひ」と答えていた。
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