恋は盲目、愛は永遠
晩ごはんは、管理人の川添さんが作ってくれていたクラムチャウダーと、手作りのパンをいただいた。

「それで唯子は熱いものが嫌いなのか」
「嫌いというより食べないようにしてるんです」と私は言いながら、めがねを外してレンズの曇りを拭いていた。

湯気でレンズが曇るから、熱いものは率先して食べないようになった。
それでも、具だくさんのクラムチャウダーは美味しかった。

「すまない。次回からはあまり温めすぎないようにしよう」
「いえっそんな、謝らないでください!」
「唯子」
「はい?」
「こうやってお互いのことをもっと知っていこう」

私は握られた手を見て、鈴太郎さんの穏やかな笑顔を見ると、「はい」と笑顔で答えた。
< 105 / 298 >

この作品をシェア

pagetop