恋は盲目、愛は永遠
陸に上がった妖艶な魚
お風呂に入る前、「上がったらこれを着なさい」と言いながら、鈴太郎さんが服を渡してくれた。
それは鈴太郎さんのスウェット上下で、お風呂から上がった私は、今それを着て、2階のバルコニーから夜空を眺めていた。

足元はモコモコの室内履き、そして背後からは鈴太郎さんが私をスッポリ包み込むように抱きしめてくれている。
鈴太郎さん自身も寒さを感じないよう、毛布をかぶり、それを私と共有している状態だ。

鈴太郎さんは、満天の星空を見ながら、星座や星の話を私にしてくれた。
なるほど。サキさんとみさえさんが言ってたとおり、鈴太郎さんは星に詳しい。

「・・・ヘラクレスが自分の母乳を飲んでいるのに驚いたヘラは、ヘラクレスを払いのけた。そのとき流れ出した母乳が天のミルクの環、つまり天の川と言われるようになった」
「わぁ。そうなんですか」
「英語ではMilky Way、ギリシャ語でkyklos galaktikosは、乳の環という意味がある」
「そうですか・・・」

夜空に輝くたくさんの星は、まるで天の川のようだ。
私は思わず手を伸ばした。
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