恋は盲目、愛は永遠
唯子に翻弄される私 (伊集院鈴太郎視点)
本当はアメリカ・カナダの出張に唯子を連れて行きたかった。
片時も唯子を離したくなかった。
だがここで強引なまねをすれば、唯子は確実に引く。

なぜなら唯子は男に疎い。
今まで一度もつき合ったことがない。
処女だという読みは当たっていた。

男を知らないという事実は、正直私を喜ばせた。

唯子は私の家柄はもちろん、富や名声といったものに惹かれてはいない。
むしろそれはマイナス要因になっているとすら感じた。

だが唯子は私に惹かれている。

たとえそれが私の妖艶だと言われる外見だけでもいい。
伊集院が誇る富や名声だけでもいい。
それらがきっかけになるのなら、私は喜んで利用してやる。
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