恋は盲目、愛は永遠
今回の出張は、太陽エネルギーを実用化するための研究者及びスポンサー探しが主な目的だった。
そのためにモントリオールで開かれる環境サミットにも出席すると自分で決めたくせに、第三秘書の尾上(おのうえ)から指摘されるまで、そのことをすっかり忘れていた。

こうなったらサミットが終わるまでの7日間は、外国(こっち)に滞在しなければいけない。
このタイミングに舌打ちしそうになった自分に苦笑した。

今までつき合った女どもに、ここまで入れ込んだことはない。
仕事を放り出してまで会いに行きたいと思うのはおろか、仕事の内容を忘れてしまうほどまで、唯子のことが私の頭を占めている。

太陽エネルギーの実用化は、長年の私の夢だというのに。
いまや唯子の存在は、私にとって太陽エネルギーと同等レベルに大切なものとなった。
< 131 / 298 >

この作品をシェア

pagetop