恋は盲目、愛は永遠
この私が唯子の初めての男。そして最後の男。

心は痛みながら、体は欲で膨らんでいく。
そして唯子の中で果てたとき、自分がこの世で最低の男になったことを確信した。

完全に冷えきっていた唯子の体を、私は咄嗟に抱きしめた。
私の温もりを感じてほしかった。
泣き叫ぶ唯子に聞こえているかどうかは分からなかったが、自分がしでかした最低の行為に対し、私は何度もすまないと謝った。

あんなことをされたにも係わらず、唯子は私に抱かれてくれた。
抗う力が残っていなかったというのが真実だとしても構わない。
とにかく私の腕の中で眠ってほしかった。

私を拒絶するなと心の中で何度もつぶやいた。
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