恋は盲目、愛は永遠
とにかくこのままではいけない。
私は唯子と二人きりで過ごすため、仕事を押し詰めて、まとまった休暇を作ることに専念した。

本音を言えば、そんなことは放り出して、すぐにでも唯子と二人きりになりたかったが、この私には責任がある。
従業員とその家族を路頭に迷わせてはいけないという責任が。

当然仕事量は増え、いつもより多忙になった。
唯子が目覚める前に出かけ、唯子が寝た後に私も眠る。
そんな状態がずっと続いた。

あんなことをしたにも係わらず、あれからまた私は唯子を抱いた。
今度こそ悦びを与える。つながる悦びを知ってほしい。
それなのに、唯子は最初の体験がよほど苦痛だったのだろう。
私が触れても恐怖と嫌悪しか感じなくなっていた。

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