恋は盲目、愛は永遠
「どうした唯子」
「鈴太郎さんの夢はとても素晴らしいと思うし、それを実現させようとがんばっている鈴太郎さんのことが、とても・・・誇りに思ってます」

本当は「好きです」って言いたかったけど、なぜか恥ずかしくて言えなかった。

「唯子にそう言ってもらえると、とても励みになる」
「そうですか・・・」
「唯子と出会う前と今では、生きる張り合いが全然違う。不思議だな」
「そ、うですか?」
「少なくとも私は、あと43年唯子とともに生きるぞ」

43年後・・・鈴太郎さんは86歳、私は66歳。
おじいちゃんとおばあちゃんだ。
クスッと笑った私を見た鈴太郎さんは、つられたようにニコッと微笑んだ。

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