恋は盲目、愛は永遠
「なぜ43年なんですか?」
「私は43年ひとりで生きてきた。だから少なくとも同じ年数を唯子とともに生きたい。それで人生の借りが返せる気になるしな」
「そういうものなんですかねぇ」

でもその発想は、いかにも鈴太郎さんらしい。

「できればもっと唯子と一緒にいたいが、こればかりは誰にも分からないからな。だが心配するな。おまえの老後の保障はもちろん、唯子が死ぬまで生活に困らないよう手配済みだ」

・・・そうだよね。
鈴太郎さんはいつ私に飽きるか分からない。
そして飽きれば私を捨てる。
捨てても一応夫婦だったという義理を果たすと言っているのかな。

でも私がほしいのはそんなものじゃない。
そんなことを言えるのは、私がまだ若いからだと言われればそれまでだけど・・・。
でも私がほしいのは・・・。
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