恋は盲目、愛は永遠
「えっと、これが参考になるかどうかは分かりませんが」
「言ってみろ」
「はい。私、過去に何かしたかされたんだと思います」
「いつの話だ」
「何百年も前です」
「それは過去生のことを言っているのか」
「はい」

と私は言うと、自分が魔女と呼ばれていた過去生の話をした。


「・・・なるほど」
「そのとき、自分のことを密告した人とか、自分を裏切った王子を許せなかったと思うんです。そんな世界の裏側というか、嫌な部分を見たくないと、死ぬ間際に強く思ったことを覚えています。それからなんです。私は生まれ変わるたびに視力が悪かったり、全盲だったり、全盲になってしまうんです。そして必ず心臓にまつわる疾患で亡くなってるんです」
「自分の過去生のことを唯子は覚えているのか?」
「魔女と呼ばれていたそのときのことだけで、よく夢を見るんです。それから視力のことと心臓のことは、物心ついたときから何となく記憶にありました・・・って、ヘンですよね。理屈じゃ説明できないんですけど、それらは確かに私が過去生きてきた記憶の一部で・・・」

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