恋は盲目、愛は永遠
私がお風呂から上がると、鈴太郎さんが寝室へ来ていた。
食事をした後、少し仕事をすると言って、書斎にこもっていたのだ。

「お仕事はもう終わったんですか?」
「ああ。世の中インターネットがあるおかげで、一瞬にして世界中につながることはいいんだが、それで時差がなくなるわけじゃないからな」
「そうですね」

鈴太郎さんの仕事は、世界を舞台にしている。
世界中にリアルタイムでつながるのはいいけど、確かに時差はあるわけで。
それが良くもあり、悪くもあり。

「では私も風呂に入ってこよう」
「はい」

鈴太郎さんは、いつも先に私を入浴させる。
私に逃げ道を作らない、みたいな・・・?
と同時に、鈴太郎さんは実はお風呂好きで、温泉のお湯がでているひのきのお風呂につかることが、至福のひとときなのだと言っていた。

きっとお湯につかりながら、ひとりでのんびりしたいんだと思う。
リセットタイム、リラックスタイム。
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