恋は盲目、愛は永遠
問われた疑問、投げられた波紋
男の人はツカツカと私の前まで歩いてきた。

「やあ。キミが唯子ちゃんだね?鈴太郎さんの奥さんの」
「あ・・・はい」

ここにいるということは、鈴太郎さんの親族の方だよね。
仕えるご家族の方にしては、尊大な雰囲気がありすぎる。

「ふーん。あの鈴太郎さんが選んだ女が来るっていうから来てみたけど・・・全然フツーじゃないか」
「は」

え?何この人。
いやでも、確かに私はいたってフツーの人だけど・・・。
さっきの彼の発言に悶々と悩む私に、彼は「ねえ」と言いながら、少しずつ私との距離を縮めてきた。

やだ・・・なんか嫌だ、この人。
私は無意識に後ずさりをしていた。

でも背中に樹が当たったことで、もう後退できないと気づいたときには遅かった。

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