恋は盲目、愛は永遠
私はあなたを許せない
鈴太郎さんの愛情が信じられなくなったんじゃない。
私自身が、そして私が抱いているこの感情が愛情なのか。

それが信じられなくなってしまった。

伊集院家で両親と再会する予定だったけど、あの男の人の出現で、精神的に動揺してしまった私は、気分が悪くなってしまい、そのまま帰途へついた。

ここは唯子の屋敷でもあると鈴太郎さんは言ってくれた。
ここには「ただいま」という気持ちでハネムーンから帰ってきて以来、その気持ちはだんだん強くなっていった。
でも私はやっぱりこの屋敷に属する者じゃないと思う。

この屋敷に囲われた身だと思う。

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