恋は盲目、愛は永遠
密告した民は、「魔女の疑いがある者を見たら、直ちに通報せよ」という義務を果たしたまでだ。
恐らくユージーンはつけられていたのだろう。
もしかしたら、ユージーンがレオ王子だとばれていたのかもしれない。

一国の王子が・・・次期国王となる王子が、魔女と密会。
それは絶対やばいよね。
民の信用がなくなれば、王家は滅びる。
ということは、国が滅びる。
どっちを選ぶか・・・苦渋するまでもなく、答えはすぐに出る。

恋より現実。
立場と重さが違うじゃない。

「だからと言って、私はレオ様を許せるの・・・?」とつぶやいた私はハッとした。

あ、そうか。私許せないんだ。
というか、許せてないんだ。

理不尽な死に追いやられたことに。
私(ティア)を選んでくれなかったことに。
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